大神楽《だいかぐら》みたように、軽々しくは通るまい。そうかといって、大神楽師にしては、この連中、品格があり過ぎる。家相山相を見ることに敏感な七兵衛は、また人相を見ることにも敏感なのは、商売柄ぜひもありません。

         二十四

 七兵衛はこの四五人連れの神楽師《かぐらし》を、只者ではないと睨《にら》みました。
 いずれも、黒い着物を着て、博多《はかた》の帯をしめたところは、あたりまえの旅芸人のようにも見えますが、少し話をしてみれば直ぐにわかることで、ことに七兵衛のように諸国を飛び歩いている者には、国々のなまり[#「なまり」に傍点]が、争われない符帳《ふちょう》です。
 そうかといって、めいめいの話を聞いていれば、やはり歌舞音曲に関することが多いので、この点は七兵衛も、ちょっと測り兼ねているところです。
「当山には、湯加僧正《ゆかそうじょう》という声明《しょうみょう》の上手がおられたげな」
と一座の長老がいう。
「湯加僧正は、このほど、京都の智積院《ちしゃくいん》へ帰られたそうな」
 その次のがいう。
「それは惜しいことを致したわい、僧正がおられたら、お目通りをして声明秘伝《
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