るほど、境内を荒したり切売りしたりする。
国として霊山を伐《き》ることをゆるしたり、神社や仏閣で、その境内に疵《きず》をつけたり、また個人としてその屋敷内を切売りするようになってはおしまいです。
「亡んだ国に、山の青い国はない」という真理を、七兵衛は、それとなく知っているわけなのです。
そこで、坊へ着いた七兵衛は、案内に向ってこのことをたずねてみると、案内はかえって自慢らしく、
「おかげさまで、ああして木を伐り払って新しい道が開けますよ。あれが出来て車を仕掛けますと、女子供までのぼるのが楽になりますからな、そうなるとお山も繁昌致します、お寺も収入《みいり》が多くなるというわけで、トカク、近頃は金でございますね」
七兵衛は、それを聞いて呆気《あっけ》にとられました。そうすると案内は得意になって、
「宮方《みやかた》のお役人も、よく話がわかるものですから、直ぐに許してくれます。一旦、木を伐ってずいぶん売って儲けましたが、そこが都合が悪いので、今度は少し遠くなりますがこっちの方へ廻しました。なあに、ここでいけなければ、また別なところを許してもらいますからね。おっつけ、あの切崩しが済みま
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