せん。要するに、万一の場合は、一行の中でいちばん弱いお雪を保護するのが急だと、
「お雪ちゃん、裏の方へまわって休んでおいでなさい……」
 場合によっては、この家の主《あるじ》に頼んで表戸を締め切ってもらおうと思いましたが、お雪はやっぱり気が気でなく、またも敷居の外へ出て見て、今度は、急に真青《まっさお》になり、
「あれ、大変です、斬合いが始まってしまいました、どうしましょう、どうしましょう、大勢して先生一人を殺そうとしています、かわいそうだわ、目の見えないものを、あの憎らしい人たちが寄ってたかって――」
と絶叫しました。
 この叫びで、久助も色を失って駈け出して見ると、お雪は夢中になって、
「誰か、助けて上げてください、四人と一人じゃ敵《かな》いませんわ、どんな強い人だって。まして目が見えないんですもの……あ、誰か倒れた、先生が斬られてしまった、見ていられない」
 お雪は両方の眼を両手でかくして、久助へよろけかかりました。

         十四

 次の恐怖がほどなくこの一軒家へ襲うてくる。逃げられなければ隠れるほかはない。隠れおおせないまでも――
 久助は、目をふさいで凭《よ》り
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