するつもりか、それとも、あれなる一軒家へ案内して、尋常に女を渡すつもりか。さあ、こちらを向かっしゃい、こちらを向いてこの刀、粗末ながら永正《えいしょう》の祐定《すけさだ》を一見さっしゃい」
 高部弥三次は、こういって長い刀の柄《つか》を丁と打ちましたから、あとにつづいていた三人がまたも面《かお》を見合わせて、高部でかしたといわぬばかり。
 その時、竜之助は、
「あいにく、拙者は眼が見えないのだ」
といって、苦《にが》りきって向き直りました。
「ナニ、眼が見えない?」
 向き直った竜之助の面を高部がキッと見て、暫くあきれていると、
「この通り盲目《めくら》だ」
「盲目?」
 これを聞いて驚いたのは高部ばかりではありません。後ろについて、かけ合いを検分して来たところの仏頂寺はじめ三人の者が、六つの目をみはって、一度に竜之助の面《かお》を見つめました。
 事実、今までこの四人は、この男が盲目《めくら》であるとは知らなかった。
 さてこそ、悪く取りすました返答ぶり、大胆と沈勇に出でた結果でもなんでもなく、敵の威力を見定める眼を失っているからのこと。こう思ってみると、四人は一度にカラカラと高笑い
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