乗せないで、この笈物《おいぶつ》のお守《もり》をしながら、どこかそこらで、ゆっくり休ませていただきたいんでございます、皆さんがむりやりに、わたしを馬に乗せて、踊っておいでなさろうとするが、私はもういやでございます、このうえ馬に乗せられると、私も死んでしまいます、背中の笈物も死んでしまいます、どうか、お助けなすって、私をこのうえ、馬に乗せないようにして下さいまし、お願いでございます」
 そこで米友が、いよいよわからなくなってしまいました。わからないけれど、さしあたっての急務は、この小坊主を馬に乗せないで、どこかへ静かに休息させてやればよいのだと思いました。
 そこで米友が、大勢を相手にその掛合いをしようという気になっていると、
「なるほど……」
 米友の背後《うしろ》から図抜けて大きな声を出して「なるほど!」と言って、人を驚かしたものがありました。一同がその声に吃驚《びっくり》して見ると、それは別人ならぬ道庵先生です。
「こりゃいけねえ、お前たちは、この盲目《めくら》の坊さんを人身御供《ひとみごくう》として、むりやりに馬に乗せて引張って来たんだろうが、見た通り弱りきって、疲れ果てているの
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