が美い女と見るくらいのものは、ほかの男が見たって美い女だ、だから、どうしたと言うんだ、おれが惚れるくらいの女に、ほかの男が惚れるのはあたりまえだ、それがどうしたと言うんだ、わからねえ奴等じゃねえか、それほど女房が大事なら、箱へ入れて蔵《しま》っておくがいいや、箱へ入れたって虫がつくということがあるじゃねえか、自分の女房に虫が附いたからって、土用干しもできねえじゃねえか、奴等あ、みんな嫉《そね》んでそういうことをするんだな、おれが美い女房を持っているものだから、それをけな[#「けな」に傍点]れがって、寄ってたかって、あんまりひでえことをしやがら、だから承知ができねえ、さあ、矢でも鉄砲でも持って来い、これからはおれが相手だ、おれの女房に指一本だって差させるものか、さあ来い」
 自分も血まみれになって、血に染まった白刃を振りかざして、前後の辻褄《つじつま》の合わない啖呵《たんか》を切って、息せきながら弁信の背後《うしろ》まで迫って来ました。盲法師の提灯が危ない。提灯を斬られた切先でその頭が危ない。頭を斬られれば命が危ない。さすがの弁信も狼狽《ろうばい》して逃げ惑いました。
 いま打ち下ろした
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