《ともしび》の光が青く洩れているばかりです。
そのうちに土蔵の戸がガタピシとあいて、中から人が現われました。様子を見ていた連中は物蔭に隠れていると、中から現われたのはまず盲法師の弁信です。今宵は笠もかぶらず、例の法然頭を振り立てて出て来ました。ただおかしいのは、手に九曜巴《くようともえ》の紋のついた、かなり古びた提灯を点《とも》して持って出たことです。それが倉から出て戸前を二三歩あるくと、そのあとから出て来たのは竜之助です。これは頭巾《ずきん》を被《かぶ》って、両刀を帯びて、竹の杖を持っていました。
竜之助が出ると、倉の戸前を引き立ててしまったから、多分、今宵も倉の中では、お銀様一人が留守居をするのでしょう。そうして出かけた二人は、今宵は尺八を持っていないのだから、彼等は別に目的があって出歩くものに違いありません。ただ、わからないのはその提灯です。持って前に立つ人も盲目《めくら》です、あとについてたよりにする人もまた盲目です。盲目が盲目の手引をするのに、持つ人も持たれる提灯も変なものです。それと板倉家の定紋である九曜巴を、弁信が提げ出したことも何の意味だかよくわかりません。
「エエ
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