をかけるやら、炭を煽《あお》ぎはじめるやら、ここはお爺《とっ》さんが車輪になって八人芸をつとめる幕となりました。
やがて五人の強力は、一杯ずつの甘酒に咽喉《のど》をうるおすと、卸《おろ》しておいためいめいの荷物を取って肩にかけ、南条力が目くばせをするとがんりき[#「がんりき」に傍点]の百が心得たもので、
「爺《とっ》さん、また帰りに寄るよ」
と言って幾らかの鳥目《ちょうもく》をそこへ投げ出して、立ち上ります。
額堂を出たがんりき[#「がんりき」に傍点]を先登に、南条らの一行は白雲山妙義の山路へ分け入ったが、下仁田街道《しもにたかいどう》の方へ岐《わか》れるあたりからこの一行は、急速力で進みはじめました。
十一
がんりき[#「がんりき」に傍点]を初め南条の一行が、山へ向けてここを去ってしまい、角兵衛獅子の一座もほどなく町の方へ引返してしまい、それから小一時《こいっとき》ほどたって、同じ額堂下の甘酒屋へ、同じような風合羽を着た道中師らしい二人の男が、ついと入って来て、二人向き合って縁台に腰をかけて、
「どっこいしょ」
杖について来た金剛杖でもない手頃の棒をわき
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