達《きんだち》の姿となり、或る時は野性そのままの牧童の姿して舞台の上に立つけれども、その天成の美少年であることは、芸をかえることによっても、装いを変えることによっても変ることはありません。
「まあ、綺麗《きれい》な子、可愛いのね」
まずこの美少年の美を愛するものは、婦人の客でありました。
「物は磨いてみなけりゃわかりません、あの子が、あんなに綺麗になろうとは、わたしも思ってはいなかった」
お角もこう言って、茂太郎の美しくなったことに眼を見開きました。だから、仲間の女芸人たちが、茂太郎を可愛がることは尋常ではありません。美少年の茂太郎は、楽屋でも可愛がられるが、婦人のお客からも可愛がられます。物好きな婦人客は、わざわざこの美少年を、近所の茶屋に招いて親しく面《かお》を見ようとする者がありました。その時はお角が、ちゃんと、おばさん気取りで附いて行くものだから、お客はうっかり手出しもできないで、うっとりと見惚《みと》れて、
「まあ、綺麗な子、可愛いのね」
そうして、盃と御祝儀を与えて帰されることも度々ありました。茂太郎は、こんな意味において、日に日に婦人の贔負客《ひいききゃく》をひきつ
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