が、首っ玉へ風呂敷包を結び、素足に草鞋《わらじ》をはいて、手に杖を持っておりました。
「この野郎、御免で済むと思うか」
 ようやく起き上った金助は、目を怒らして小男を睨《にら》みつけて、言葉を荒っぽくして叱りつけました。
「御免、おいらは草鞋の紐を結んでいたところなんだ、そこへお前が来て、よろよろとよろけたから、危ねえ! と思って左へよけたんだ、左へよけた途端にお前が前へのめったんだから、おいらに罪はねえようなものなんだが、それでも時と場合だから、おいらの方からあやまってやらあ」
 こう言って竹の笠を傾《かた》げて、金助の面《かお》をジロリと見上げたのは、珍らしや宇治山田の米友でありました。しかしながら、金助は酔っていたせいかどうか、米友たることを知りません。だからその返答がグッと癪にさわったものと見え、
「おやおや、時と場合だから、貴様の方からあや[#「あや」に傍点]まってやるんだって? ばかにするな、このちんちくりん[#「ちんちくりん」に傍点]」
 金助は打ってかかろうとして拳を固めると、宇治山田の米友は一足後へさがって、そのまるい眼をクルクルとさせ、
「時と場合だろうじゃねえか、
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