眼光で見つめていたが、突然、
「ははあ、なるほど」
小膝を丁《ちょう》と打ちました。
「それごらんなさいまし」
七兵衛は得意の微笑を浮べると、山崎の面《かお》には一種の感激が浮びました。
「あれだ、あの男だ、そうか、なるほど……いやあの男には、拙者も重なる縁がある、大津から逢坂山《おうさかやま》の追分で、薩州浪人と果し合いをやっている最中に飛び込んだのは、別人ならぬこの拙者だ。壬生や島原では、かけ違って、あまり面会をせぬうちに、組の内はあの通りに分裂する、芹沢が殺されて、近藤、土方が主権を握るということになったが、その後、あの男の行方《ゆくえ》がわからぬ、そうしているうちに、思いがけないにも思いがけない、甲州の白根山の麓、ちっぽけな温泉の中で、あの男を見出した、かわいそうに、目がつぶれていたよ、盲になって、あの温泉に養生しているのにぶっつかったが、その時は涙がこぼれたなあ。あれは甲府の神尾主膳へ紹介しておいたなりで、拙者も忙しいから上方へのぼって、今まで忘れていたようなものだ、ここであの男に会おうとは意外意外」
山崎譲は額面の上を仰ぎながら、感慨に堪えないような言葉で、こう言いま
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