あります。その言葉つきから言っても、素振《そぶり》から言っても、以前よりはまた落ちてしまったように見えることが、お松には浅ましくて堪りません。
「せっかくでございますけれど伯母様、今日は急ぎの用事がございますから、明日にも、きっと改めてお邪魔に上りますから」
「そんなことを言ったって駄目ですよ、お前はもうこの伯母を出し抜くようになってしまったのだから油断がなりませんよ、お前に逃げられたために、わたしがどれほど災難になったか知れやしない、今日は逃げようと言ったって逃がすことじゃありませんよ」
「伯母さん、逃げるなんて、そんなことはありません」
「ないことがあるものか、京都を逃げたのもお前だろう、それからお前、国々を渡り歩いていたというではないか、それで一度も、わたしのところへ便りを聞かせてくれず、こっちへ来ても、他人のところへはこうして出入りをしていながら、目と鼻の先にいるわたしのところなんぞは見向きもしないじゃないか、ほんとにお前くらい薄情者はありゃしない」
「けれども伯母さん、今日はどうしても上れません」
 お松の言葉が意外に強かったものだから、お滝も少し辟易《へきえき》し、
「どう
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