だ一人の現在の伯母であったけれども、決してお松のためになる伯母ではありません。前にもためにならなかったように、これからとてもためになりそうな伯母でないことは、その身なりを見ても、面《かお》つきを見てもわかるのであります。
「どうしたの、まあお前、珍らしい、こんなところで」
「どうも御無沙汰をしてしまいました」
「御無沙汰もなにもありゃしない、お前、こっちにいたんならいたように、わたしのところへ何とか言ってくれたらよかりそうなものじゃないか、そんなにお前、親類を粗末にしなくったっていいじゃないか、いくらわたしが零落《おちぶ》れたって、そう見下げなくってもいいじゃないか」
「そういうわけではありませんけれど」
「まあ、こんなところで何を言ったって仕方がないから、わたしのところへおいで、前と同じことに佐久間町にいるよ、ここからは一足だよ、わたしも此家《ここ》の先生へ用があって来たけれど、お前に会ってみれば御用済みだよ、さあ一緒に帰りましょう、いろいろその後は混入《こみい》った事情もあるんだから、さあ帰りましょう」
 伯母のお滝は、もう自分が先に引返して、お松を自分の家へ連れて行こうというので
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