して槍の名人になりたいなあ」
 米友はこれらの子供連に取巻かれてワイワイ言われていました。子供連はよく米友を覚えているし、その親たちまでがいまだに米友のことを評判しているのも、その言葉によってうかがわれるのであります。それだから米友は、これらの子供連を路傍の人とも思えないでいると不意に、近いところでけたたましい物音がすると共に、わーっと子供の泣く声です。
「そーれ、金ちゃんちの三ちゃんが井戸へ落っこった!」
「ああ、金ちゃんちの三ちゃんが井戸へ落っこってしまったア」
 今まで米友を取巻いていた子供連が、面《かお》の色を変えて叫び出し、河岸に近いところの車井戸の井戸側へ集まりました。
 今の物音でも知れるし、子供の泣き声でもわかる。確かに、たった今この井戸の中へ陥《はま》った子供があることは疑う余地がありません。
 それを見るや米友は、首根っ子に結《ゆわ》いつけていた風呂敷包をかなぐり捨てて、直ちに井戸側へとりつきました。井戸側へとりついていた時は早や、その棒縞《ぼうじま》の仕立下ろしの着物をも脱ぎ捨てて裸一貫になっていました。裸一貫になったかと思うと、車井戸の釣縄《つりなわ》の一方をあ
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