ーレー・ケーンズ・同志ゲッセン・等の最近の所説を、ラプラス・ケトレ・クルノー・等の古典的理論から跡づけて検討している。プロバビリティーに就いての先験(先天)説、チャンス乃至偶然性の背後に横たわる或る神秘的な量の想定、及び夫に常に伴う偶然性に関する主観主義説、等に対する唯物論的な克服が盛られている。
 最初述べた量の弁証法としての統計の観点は、統計なるものの弁証法的理解を提供したが、それは非弁証法的な統計的方法の根本的誤謬を明らかにすると共に、弁証法的な統計的方法[#「統計的方法」に傍点]と分析方法[#「分析方法」に傍点](之が弁証法の普通の場合だ)との相互的で相対的な役割をも理解せしめる。之が第四章「科学研究における統計的方法と分析方法との相対的役割」である。之は科学の方法論から見ても重大な内容で、分析方法(所謂弁証法と呼ばれている方法[#「方法」に傍点])が統計的方法にとって如何に基本的であるか(マルクス『資本論』に於ける模範的な分析方法とレーニン『ロシアに於ける資本主義の発展』に於ける模範的な統計的方法とを見よ)、そして二つの結びつきが何であるか、という根本問題に触れる。
 第五章
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