E理論をも含む。総合的で且つ観点の原則が貫徹している点が、本年報の特色であり、又目新しい処であると考える。こういう特色ある年報の類は、之までまず無かったようだ。併しそれだけに又、杜撰を免れないだろう。特に、出来上るまでどういう調子の本になるのかが、どの執筆者にもピンと来ていなかったことが、弱点の源の一つである。少なくとも私自身の場合がそうだった。
 だがひいき眼で見ると、読み物の部分はまあ何とか退屈しないで読める程度だし、見る部分である「アルバイト総覧」は少なくともその分量から云って、努力だけは充分に買って貰えるかも知れない。校正だけでも並大抵ではないのである。寛厳宜しきを得た批判を受けたいと思う。
[#改段]


 11[#「11」は縦中横] 心理と環境


 E. S. Russell の The Behaviour of Animals, London の訳『動物の行動・環境』は色々の点で面白い本だ(訳者は永野為武と石田周三との両氏)。簡単に云って了えば動物心理の本であるが、併し大切なのは、動物の心理を、と云うのは結局動物の行動をということに他ならないが、その環境から説明しようと
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