者が文化的なロクデナシででもない限り見当がつくものだ。これで見当のつかない著者は、よほど独自な難解な人物であるのか、それとも全くナッていない作文屋であると見れば、間違いないようだ。
 かくて私は論文集や評論集の、学術的価値と文化的意義とを、高く尊重すべきであると結論する。夢々無知な本屋などにダマされてはならぬ。――それから序でに云っておくが、私の論文集はいくつか出ているから、以上の根拠により、今後遠慮なく売って欲しいものである! 一九三七年九月二十七日、誕辰の佳日に当って、一筆件の如し。
[#改段]


 4 如何に書を選ぶべきか


 私は学生の頃、数理哲学に関する本を店頭で買ったり注文したりして集めた。この頃は高価くつくので、最近の出版のものは持っていない。次に空間や時間に関係した書物を集めた。之は今でも、外国書のカタログを見た時に、徴しをつけておいて思い出せるようにしている。是非要りそうなものはメモにとっておく(いつか大いに役に立ちそうな本はなるべくメモにしておく)。安いものは早速取り寄せる、取引先は東京にあるのだから。一頃は物質に関する文献や、唯物論に関した文献も機会あるごとに
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