学術的に根本的な諸テーマを取り上げて研究解説したもので、日本では最初の企てだと云えるだろう。すでに十三巻以上出ている(一九三六年まで)。
著書の序でに、左翼的な又は建前に於て進歩的な評論乃至学術雑誌を見るとすれば、『経済評論』(叢文閣)、『歴史科学』(白揚社)、『唯物論研究』(唯物論研究会)、『社会評論』(ナウカ社)、其の他の読者の定着を注目しなければならぬ。
以上は或る意味に於て「左翼的」(?)な、と云うのは、本当の意味に於て進歩性を建前とする、出版界のことだったが、その実質的な内容から云って、到底、所謂右翼出版物の遠く及ぶ処でないことは今更問題ではない。尤も企業的に見て、どっちが儲かっているかは、私の知る限りではないが。
併し、イデオロギー上の中性を有つ出版物が、著しく盛大になったことは、今年の何よりの特色に数えられるだろう。自然科学関係のもの(例えば『岩波全書』)が多数出版されて重厚な読者層を見出しつつあることは、之も一つの思想上の現象であり、中性に於てサスペンドしようとすると共に、しばらく退いて落ち付いた勉強をしようという、社会意識の現われだろう。でこの種のものは多く教科
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