る。これは今後大いに利用されるだろう部分である。
第三の宗教復興批判は、近頃の快事に数えねばならぬ。現在の宗教論者の論理的ナンセンスと露骨な階級的意図が、見事に裸にされている。これは宗教復興現象に対する総決算になるといっていい。
併し、この本で欠けているものは宗教思想史[#「思想史」に傍点]である。之亦唯物論にとって見逃すことの出来ない課題である。唯物史観による日本宗教思想史は、処で最近三枝博音氏が手を着けている。尤もその際氏の唯物論はまだ動揺を免れないらしいが、氏が材料を征服し終る時が近い内に来ることを吾々は期待してよいと思う(なお日本宗教史の研究では「日本宗教史研究会」から論文集が出ている――『日本宗教研究』及び最近の『寺院経済史研究』)。
著者秋沢修二氏(永田氏に就いてはすでに前に書いた)が哲学的教養に富んだ徹底した唯物論者であることは、以前から知られている。そして宗教批判こそは氏の得意の壇場なのである。私はこの書物によって唯物論的に甚だしく啓発されたことを、素直に断わっておく。
[#改段]
7 『現代哲学辞典』
三木清氏が編集代表となり、他に甘粕石介、樺俊雄、
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