は、何といってもこれが最初のものなのだから。
 内容は大体三つの部分に分れるといっていい。第一は宗教一般に関する唯物論的研究の綱要的な紹介、第二は日本宗教史の叙述、第三は現代の宗教復興の批判。
 第一では、アニミズム・トーテミズム、から始まって民族宗教・世界宗教・への発展を、実証的に又歴史的に更に又哲学的に解明している。これを貫く何よりも大切な点は、こうした宗教の発展段階がすべて社会の生産の発展段階に相応するものである所以を、組織的に論証して行っていることである。この部分は纏った宗教学教科書として役立つだろうと思う。
 第二の部分が、唯物史観による日本宗教史の唯一のものだという点に就いては、世間は殆んど疑問を挾む余地を持つまい。唯物史観に立たないものでも、こう手短かに且つ体系的に纏った日本宗教史はそんなにザラにはないのではないかと思う。そればかりではなく、唯物史観から行けば当然なことだが、読者はこの部分に実は手短かなそして特徴的な日本社会史のプロフィルを見ることが出来るだろう。著者はこれを書くのに、日本における若い専門家達の新しい業績を可なりの注意を配って採り入れているように見受けられ
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