り又内燃機関である)が、常識に見ごとな解答を与えて呉れる。――だが、常識でも何でも理解出来ないのは、例の高賃金の方だ。なぜ科学主義工業は必然的に高賃金を結果しなければならないのか。賃金の方も低くして、愈々コストを下げるということが、なぜ科学主義工業の精神に矛盾するのか。なぜその代りに資本主義的工業に近いのか。そしてなぜそういう意味での資本主義工業(?)が誤っているのか。それがどう考えて見ても、大河内氏の説明から判断しかねるのである。
私は今、『農村の工業と副業』に関する前出の私のブック・レヴューの一節を多少補足訂正しながら引用する方がいいように思う。――曰く、ではなぜ科学主義工業によると高賃金となるか。この証明は直接にはどこにも見出されない。唯一の理解の余地は之を農村労働力の能率[#「能率」に傍点]に結びつけることだろう。つまり労働力の能率がよければ低コストとなるとともに、他の条件が同じならば名目上高賃金の意味を有つだろうからだ。そこで氏曰く「そうして其(工作機械や測定機)の使い方が単調無味であるように製作されてある程精密に加工されるから、農村の子女が最も適当している。」「毎日毎日同
前へ
次へ
全273ページ中173ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
戸坂 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング