。次に併し最も重大なのは、工業生産の極度の機械化である。工作機械と測定機械との充分な充用である。それは当然工作機械の専門的分化(万能工作機の回避)が必要である。之によって精度は量的に向上するばかりでなく質的に転化を遂げる。と云うのは、専門的に分化した工作機械に於ては、問題は単に機械そのものの精度に限定されることなく、製作品そのものの精度の問題が正当に登場することが出来るのであって、ここに初めて、工作機械自身の本当の実際的な精度が高められるからだ(「機械工業と生産費」――『科学主義工業』〔一九三七年〕十一月号)。
 さて製品そのものの精度の向上こそは、コストを引き下げる最も科学的な要点である。つまりこのようにして精密工業生産の精度を高めることが、科学主義工業の科学主義工業らしい面目なのである。精度が向上するということは処で、所謂熟練[#「熟練」に傍点]が機械によって取って代わられるということだ。だから、機械が熟練にとって代わるということが、科学主義工業の建前である、とも氏は定義しているのである(熟練の大衆化)。この点、五年も前には夢にも思わなかったことだと氏は云っている。博士の最近の思想
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