、序篇の五篇は比較的旧いもの、本篇の十二篇は比較的新しいものである。序篇と本篇とを一貫するものは云うまでもなく科学的精神の提唱と検討とであり、又数学及び数学教育を中心とした自然科学乃至社会科学に於ける科学的精神の役割についての研究である。この一貫した根本主張は、すでに著者の著書『数学教育の根本問題』や『数学教育史』、『数学史研究』の内にも反覆主張され、また云わば実証されているものであり、博士の首尾一貫して変らぬ不羈独立の精神を告げて余りあるものだ。氏はみずからこの人間的態度を名づけてヒューマニズムとも呼んでいる。氏にとってはヒューマニズムという人間的態度と科学的精神との間に、絶対に切り離すことの出来ない直接連関があるのだ。ヒューマニズムと科学的精神とを対立させようなどとする現代の無知な文士や準文士達のヒューマニズムとは根本的に選を異にしている。尤も博士のヒューマニズムと考えるものは恐らくはレアリスティッシェ・シューレ(理科)に対するフマニスティッシェ・シューレ(文科)を連想させるものであり、特別に考え抜かれたものとは思われないが、それにしても、それが科学的精神の裏となり表となることによ
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