の意見が読者の前に並べられつつ或る程度まで整理されて行くという、対話[#「対話」に傍点]或いは寧ろシュンポジション[#「シュンポジション」に傍点]の形を持っている事だ。実際やったディスカッションをそのまま本にしたもので、日本の本としては極めて珍しいものだ。単に珍しいだけが勿論能ではない。この形式が齎す長所は、読者に対して著者の往々不用意な見解を押しつけずにすむという事、そしてどの点に多くの疑問があり、どの点にはもはや大した疑問がないかということが、読者におのずから判るということ、従って読者は一方に於て安心して信頼しつつ読めるとともに、著者達の異論を比較検討しつつ読むので、みずから考え方を練りつつ独自の見解をそこから導き出し得るということ、そうした処にあろう。特に自然弁証法のような多くの問題を蔵しているテーマについては、今の処、こういう書き方の方が、科学的に慎重だとさえ云えるかも知れない。
前篇「自然弁証法史」と後篇「自然弁証法概論」とからなり、前篇は主としてAと名乗る吉田氏、後者は主としてCと名乗る岡氏が、原案提出者として筆を執り、AとCはBと名乗る石原氏と共に、之を審議するという形
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