て封建制の崩壊と共に自然科学の勃興と唯物論の復活とが必然であることを示す。第三部の近代哲学はイギリス唯物論(経験論)・大陸唯物論(合理主義)・主観的観念論及び不可知論・フランス唯物論・ドイツ古典哲学・弁証法的唯物論・ヘーゲル以後の俗流唯物論や観念論諸流派・を取り扱う。本書の近代はその歴史が複雑である割合に叙述の簡単な処が少なくないが、之は或いはそれでいいかも知れない。と云うのは多くの読者は近代哲学に就いては相当の哲学史的常識と社会機構上の分析の多少を持ち合わせているからだ。
全篇を通じて目立つことは、繰り返して云うが、社会機構の必然的な推移に於ける夫々の位置によって、一切の哲学者と哲学思潮とを特色づけ、それと思想の哲学的推移の必然性とを、注意深く組み合わせたという可なりオリジナルな努力だ。夫々の哲学思想の細かいニュアンスに就いての分析は、この種の概括的な本に求めるべきではない。社会に於ける哲学思想の流れの要所々々をおさえるのに、必要欠くべからざるものが本書だ。
之はこの本にとっては大きな問題ではないかも知れぬが、著者はフィロロギーが哲学の歴史上演じた役割をどう評価するだろうか。特に
前へ
次へ
全273ページ中113ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
戸坂 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング