#「社会科学的観念」に傍点]にまで接触し、やがて之へ移行する。之は私がこの本で倫理学的な道徳観念の次に社会科学的な道徳観念を持って来なければならぬ根拠であるが、実は又之が、ホッブズから(カントを通って)ヘーゲルを経、更にマルクス・エンゲルスに至る社会科学的道徳理論の発展をも物語っているのだ。と云うのは、ホッブズでは倫理学とその社会理論とはズルズルベッタリに絡み合っている。之をハッキリと一刀両断したのがカントである。それをもう一遍絡み合わせて整頓したものがヘーゲルの「法の哲学」なのである。そして遂に科学としての社会理論を打ち建てることによって、倫理学の独立性を廃棄したものがマルクス主義者だ、というのである。――因みに近世に於ける社会理論乃至社会科学の発展は、一方に於て倫理学乃至道徳理論と直接関係が少なくないと共に、本質に於てやはり一種道徳論的乃至倫理的である処のユートピア(非科学的社会主義・前科学的社会科学)との関係を離れては考えられない。そして之は又歴史哲学との交渉からも見られねばならぬものを持っている(この発達史に就いてはH・クーノー『マルクス・歴史・社会・国家学説』が一応の便宜を提
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