ではないだろうか。
 この要因は処で、色々なものに連関している。文学の思想性という問題の一つの意味は、作品の分析[#「分析」に傍点]的な真実の代りに作品による思想の主張[#「主張」に傍点]を尊重せねばならぬということであったと思う。文学の思想性は一面に於ては文学の社会的認識・社会的分析[#「分析」に傍点]の重大性ということにも帰着するが、他方に於て思想の主張[#「主張」に傍点]という指導的な積極性に帰着するのである。だからこの問題は一方に於て文学のリアリズム(乃至広範に理解された社会主義的リアリズム)の強調に帰着すると共に、他方一種のヒロイズム(同じく広範に理解された革命的ヒロイズム)の強調に帰着する。そしてこの際、一見、リアリズムの方は分析型に、ヒロイズムの方は主張型に、相応するわけである。
 ロマンティシズム・ヒューマニズム・等々もこの角度から見る限りは、分析型に対する主張型の強調ということに帰着するので、勿論積極的な意義のあることだ。併し所謂「ロマンティシズム」(リアリズムに対立する処の)も「ヒューマニズム」も、私には十分納得の行かないものがあるので、つまり分析にも主張の説得力に
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