なかったと新聞が報じているから、該法律の効目には目ざましいものがあるようだが、所が、一方九月三十日迄に来たお酌の就業届出数は、例年よりも三〇〇件を増しているという、裏の事実もあるのである。
 既に就業している雛妓には、何故かこの法律は適用されず、今後就業しようとするものだけに適用されるというのだから、九月三十日を名残とばかり雛妓就業届出が殺到するのは当然である。それでこれら既成雛妓の抱主達は、例の吾妻橋のルンペンお袋のように、メソメソ泣き出さなくて済んだわけである。――何しろ、高が流しの門付け修業には殆んど資本はかかっていないが、雛妓にまで就業させるには原料の費用も加工費もかかっている。之を賠償しない限り、児童虐待防止法と雖も承知は出来ない。
 大人でもあり余っていて子供なんかはどうでもよくなった工場や海運業に於ては、児童労働禁止は可なり前から実施されている。道徳的な法律は凡て抵抗の弱い処から適用を着手するらしい。児童虐待防止法が芸者屋よりも先にルンペン親子の方へ、適用されるのは必然である。
 児童虐待をしてはいけないという名目上の禁止は之で出来上ったが、前借住込みという形式の極東アジ
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