、八大政綱に一通り当って見ると、之は決してそんなに凡クラな声明ではない、特色があり過ぎる程特色がある。何等の新味がないなどと云うのは政党者流の浅見に過ぎない。抽象的であって何等の具体性もないというのも嘘で、世間がいやという程知っている具体的な内容を、単に抽象的な多少拙劣な文章で表現したに過ぎない。声明そのものというような外面的なものでこの政府の政策政綱をあげつらうことは、出来ない。ただ声明の内に含まれているらしい矛盾だけは少し困るので、声明が矛盾している時は心事にも何か矛盾がある時だが、併し自分の矛盾を気づかない体系も大いに存在し得るものなのだから、例の準戦時的体制という体系の首尾一貫には少しもさしさわりはないわけだ。準戦時的体制という首尾一貫した社会組織そのものの社会的な無理が、偶々まわり廻って、政綱のそこここの矛盾となって現われはしないかどうかは、別としてだ。第一政綱は「文教を刷新すること」である。説明として教学刷新、義務教育延長、学制改革、文教審議機関設置、国体観念の徹底、国民精神の作興、というのがついている。決して抽象的ではなく相当具体的なのだが、国体観念や国民精神というものが
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