のは膨脹して行くのであり、中華民国そのものは萎縮して行くのである。
尤もあまりの困難に耐えかねて、時々不吉なうめき声を出す不心得な日本人がないではない。併しそんな女々しいうめき声は、甚だ豪勢な怒号で一たまりもなく吹き消されて了う。東京の某大新聞記者町田梓楼氏は、市内の数カ所と信州の教育会とで「非常時日本の姿」について講演したが、在郷軍人会は之を反軍思想で赤化宣伝だと云って大声で怒号し始めた。該新聞社に町田罷免を迫ったり紙上謝罪を要求したり、果ては該新聞紙不買同盟を決議したりしている在郷軍人分会やファッショ政党もあるらしい。町田氏は在郷軍人会側の誤解を解くべく、心境を吐露した文章によって、日本の対外的活動に対して何故諸外国から文句をつけられるのか、ということの冷静な科学的な認識こそは、困難を出来るだけ少なくして国運の発展を円滑ならしめるものだ、と説いている。
だがそういう弁解はもう役に立たない世の中だ。或いはまだ役に立たない世の中だ。何しろ日本は今、膨脹することだけが商売なのだから。農民問題、失業問題、その他何々、それはまあ後廻わしにしようではないか。諸君××××××よ!(一九三五・
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