逐艦がやって来るのを見ても、不敬事件と同じで、矢張直接軍部に関係しなければ話しはおさまらないのだ。
 さて以上見て来たようなトラブルスは、是が非でも膨脹しなければならぬ日本としては、或いはその膨脹を是が非でも合理化させねばならぬ日本としては、当然我慢しなければならぬ処のものである。だがただのトラブルスならば我慢するのは大したことではなく、単に心懸けの問題に帰着するかも知れないが、そのトラブルスが同時に非常に金のかかる(十二三億円もかかる)困難だとすると、夫は容易ならぬ困難だと云わねばなるまい。日本はその膨脹のために、或いはその膨脹の合理化のために、今やこの到底普通の民族では忍び得ないような天才的な困難を忍んでいるのである。ソヴィエト・ロシアは割合明朗な気持ちで、洒脱に戦機を逸脱して肩をすかしてやって行けるらしいが、中国の国民になるともはや決してそのような楽な気持ちではない、身をかわすにさえも膏汗がにじみ出るのである。処が日本の国民も亦、同様にこの到底忍ぶべからざる困難を耐え忍んでいるのである。して見ればつまり、日支国民はお互い様ということになるのである。併しそれにも拘らず日本帝国そのも
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