から見て、紛れもなく実証的な現実味を有っていると見えるからなのだ。と云うのは、例えば共産党というようなものが恐るべきだとか何とか云っても、日本ではまだ殆んど一人も、本当に共産党員のために苦しめられた人間はいないらしく、共産党の害悪に就いては、よ程熱心に話をきき不審を克服しない限り飲み込めないものがあるのであり、その意味では之は云わば全く仮空の人気の悪さに帰着するという他ないのであるが、之に反してギャングの害悪になると、社会の少なからぬメンバーが事実上身にしみて直接それを経験しているのである。この他人からワザワザ教えられなくても実証的に現実さを伴って自分に判る処の害悪のこの本拠を警視庁が衝いて呉れたのだから、世間では初めて警察の有難みを身辺に感じ始めたと云ってるようなわけなのである。
 尤も、暴力団から大きくユスられたり何かするのは、例えばデパートや保険会社だそうであり、従って結局資本家のポケットがいためつけられるだけだから、世間一般にとっては大した有難みではないという者もいるかも知れないが、併しギャングの行動乃至その行動の対象には色々あるわけで、大きな会社には外来の暴力団にそなえるため
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