史小説に道を拓こうとしているらしい。
 立正を馘になった三枝博音氏をこの辺で※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]入しておかなくてはならぬ。しかし余白がないから別の機会に譲ろう。今は日本思想史の究積中だということだ。
 法政を馘になったので有名なのに、他に三木清氏がいる。氏に就いては世間はよく知っているから言わない。復職する筈であった処、法政騒動の結果、氏自身の見透しを裏切って復職不可能の現状にあるようだ。――私自身も、騒動で半分やめ、後の半分は右翼新聞の注文で大学当局が無理にやめさせたのだが、併し健在なること、如是。(なお高商其他で追放された左翼教授は数知れずあるが、一々知らない。併し大体からいって、思想問題というのは大体口実で、その背後には必ず勢力争いがひそんでいることは記憶されねばならぬ。云うまでもなく学校当局さえしっかりしていたら、左翼教授は決して馘にはならぬものだ。)(一九三五・四)
[#地から1字上げ](一九三五・五)
[#改段]


 ギャング狩り


 五月二日以来、小栗警視総監は、内務省、全国警察部、司法省らと連絡を取って、各種の暴力
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