た。私はこの間初めて会ったばかりだから、正確には判らないが。それから松岡義和氏は私の親しい友人の一人で、哲学の教授だったが、前から消費組合運動の実際に携っている。田舎の官立高等学校で我慢出来ずに京都へ飛び出して来たが、夫はつまり馘になるために来たのだった。肥満している割合に純粋で頼みになる男である。
 辰巳経世氏は確か関西大学を罷めた人だったと記憶するが(或いは思い違いで失礼かも知れないが)、今は大阪で非常な元気のようで、唯物論研究会でも活動的なメンバーの一人である。その勇敢さは傍の人を却って心配させる程であるが、併しそれは傍の人の方の老婆心というものだろう。最近見た文章では大原社会問題研究所の案内記があり、それを読むと氏の気魄彷彿とするものがある。
 話は全く系統を別にするが、関西のことを書いた序でに触れておきたいのは、社会学の老大家米田庄太郎氏の件である。尤も京大には昔、沢柳総長の教授馘切り事件があったということだが、米田氏が京大をやめたのはそう古いことではない。氏の教授生活に就いては[#「就いては」は底本では「就いは」]色々の噂を聞いているので、例えば氏の、何年かの後にやめる約束
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