ではなく、又必ずしも農村だけに限られている現象でもないのだが、農民のただの凶作やただの貧困ではジャーナリスティクに興味がないので、世間では之を人身売買や芝居の子役の形に直して、問題に色艶をつけようと力めているらしい。
この笛に合わせて起ち上ったものは、各種の婦人団体であって、愛国婦人会やキリスト教婦人矯風会、仏教女子青年会、などの会員は一堂に会して全国的な一大運動を起こすことになった。一体婦人団体というものが社会問題に対してどんなにシニカルで、従って時として問題が女や子供のことになると如何に突然とセンチメンタルになるものかということは、私が関西風害に就いて前にも云ったことだが、ここでも亦反覆して之を証明することが出来る。だが私は之を決して無意味だとか、まして悪いとか云うのではない。無論非常に立派なことなのだ。
だがこの婦人達の或る種の錯覚は是非とも訂正しておかなくては都合が悪い。農村の子女が安売されると云っても、無論この婦人達は女子供の売価が安い[#「安い」に傍点]ことに同情[#「同情」に傍点]しているのではない。女を売買するということが、不道徳[#「不道徳」に傍点]で、この不道徳
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