き筈の存在であったのだが、関東庁側と領事館乃至駐満日本大使館側とが対立した結果、警察官が検事と対立するという、治安維持の上から見て危険極まる奇現象を呈することになった。
云うまでもなくこの現象は、例の在満機関の三位一体に関する諸改組案の対立から来る一結果に過ぎないのであって、最近外務省案と陸軍案とは著しく接近して来、やがて陸軍案が中心となって現地案が出来上りそうな動きが判っきりして来たが、拓務省案は之に反して、全く尊重されないようになって了った。単に拓務省案が駄目になりそうなばかりではなく、××××××××××××××××××、すでに、拓務大臣の専任はなくなっている。そこでおのずから外務省に対応する駐満大使領事館の検事と拓務省に対応する関東庁の警察官とが原地に於て対立するわけになったのである。積極的に出て来たのは、無論改組案の優秀な方の検事側(外務省側)で、之に対して拓務省側の警察官がヒステリカルに喰ってかかっているのである、「警察官の召喚は、拓務省側関東庁側の排撃を意味するものに他ならぬ。今彼の涜職事件に関する限り、関東庁警官は絶対に潔白だ」と瓦房店署長は云うのである。
そこで陸
前へ
次へ
全402ページ中259ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
戸坂 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング