谷大使館参事官は現地案を携えて上京、外務当局や陸軍省と折衝しているが、大体外務省案付近に落ちつくのではないかと見られているようである。
 こう見て来ると満州帝国位いムツかしい国はない。読者は多分、満州をどうやって統治するかという問題で皆が提案に苦心しているのだとウッカリ考えるかも知れない。だが無論それは途方もない心得違いなのである。外国ではどういうわけかあまり同意を表せず、偶々サルバドールという国のあることが判ってそれが賛成した程度だが、併し満州は現に歴然たる独立国で、而も大事なことには、神聖な帝国だということを、何遍も云うが、忘れてはならぬ。この独立国を如何に統治(?)するかという問題だから、問題は不思議にムツかしくなるのである。ウッカリ羽目をはずすといつの間にか[#「いつの間にか」は底本では「いつ間にか」]植民地のように考えられて総督などを置きたくなるし、思い返して独立国並みに大使を置かなくてはならぬとも考えて見る。××を出さずに満州国を正当に認識するということは決して容易《やさ》しいことではない。
 実は併し、問題を解決する一つの原則が初めからあったのである。大日本帝国が満州帝国
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