適当な地方に中心人物養成所とも称すべき百姓道場を設ける(例えば茨城県などが最も適当)。政府及び地方庁は之に若干の建設補助を与えるが、経費は自給自足でやらせる。入所すべき人物は地方で折紙づきの篤農家候補を厳選する(貧農は御免蒙ることにする)。約二カ年間窮乏に耐えたスパルタ式訓練をなす、即ちなるべく未墾の荒蕪地を選んで開拓させる。こうやっていつしか愛国愛土の百姓が完成し、それが銘々の村に帰って夫々の中心人物となって百姓道を作興しようというのである。
之が後藤農相の農村対策第一歩としての、「具体案」だそうだが、農相はマサカ例の愛郷塾のようなものを考えているわけではあるまい、もしそうだとこの際一寸問題だ。そうかと云って武者小路の「新しい村」のようなものでもないようだ。何しろ百姓道を体得した恐るべき百姓を造り出そうというのだから前代未聞の痛快事だと云わねばならぬ。「造士館」とか「健児の社」というのは昔聞いたことがあるが「百姓道場」は全く独創的だ。
私は之が空想だとか何とかとは考えない。皆が真面目にやる気にさえなったら、いつでも出来る至極手軽なプランだからだ。だが第一に肝心の内政会議に出席した
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