実証されるには到らぬにしても、多分やがてはその真理たることが実証されるだろうと希望する合理的理由を持っているのであって、その限りに於てこれは単なる便宜ではなく一種の客観的な真理に属する。
 【作業仮説】  単に研究の便宜だけのために設けられた仮説は作業仮説 working hypothesis と呼ばれ、研究の便宜のために役立ちさえすれば目的を達するのであって、それ自身が客観的真理を表現するものであるか否かは問題でない。従って之の実験的検証も亦必要ではないし又無意味でさえある。
 【仮説と理論】  本来の意味に於ける仮説は、客観的真理の一表現である限り、一種の客観性と真理とを有っていることは忘れられてはならないが、併し又他面に於てそれが何と云っても主観の産物であり而も主観の主観的案出による産物であることに変りはない。この意味に於ける主観性は仮説の免れない特色をなす。ポアンカレ 〔H. Poincare'〕 などは、仮説を或る部分的事実認識からの拡大・拡張だと考える。特定の経験的事実を、思考的に一般化することによって、他の経験的諸事実をもその一般物の上に含ませようとするのが、仮説構成の目
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