性である(還元することが何故優越することでなければならないか。併しそれであればこそ現象学的方法[#「方法」に傍点]であるのではないか。方法としての還元は、その方法の優越が主張される限り、単なる還元ではなくして還元による優越を意味せずにはいられない、それは当然であるであろう。それ故この還元によって――即ちこの方法によって――かの除外されるべき性格によって提出の動機を与えられる処の一群の問いは、除外される、その問いという働きを停止されるであろう)。さて還元が優越であれば優越されるべき以前の性格を優越する筈の新しい性格が必要となる(之によって、以前の性格によって提出される理由のなかったような一群の新しい問いが提出されるということも生じて来るであろう)。還元とは以前の性格の失喪であり、新しい性格の導入であることを記憶する必要がある。
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* 〔Husserl, Ideen zu einer reinen Pha:nomenologie und pha:nomenologischen Philosophie, S. 113〕 及び S. 59 参照。
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