ヤの、即ち空間直観と幾何学的直観との間のあらゆる思惟の機能を云い表わすことは出来ない。唯その一例に過ぎない。併し之は前に述べたことによって[#式(fig43263_08.png)入る]の証明としては充分である筈である。故に一般的に幾何学的直観は空間直観に基くこととなる。幾何学は空間に基く[#「幾何学は空間に基く」に傍点]。之が全般の結論に外ならない。

 茲に注意すべきことは以上の結果が単に幾何学と空間との間の一般的な関係を云い表わしたものに過ぎないということである。であるから幾何学が空間に如何いう関係に於て基いているかを残る処なく指摘することとは自ら問題を異にしている。唯だ以上の結果から次のことだけは推論することが出来る。数や群が一種の思惟体系であるならば、幾何学は一般に思惟を含むのであるから、数や群の概念を用いて幾何学を分類することも許されなければならぬ、ということ。数学者の着想の自由はここにその根拠を持つ。併しながらそれが決して幾何学が他の思惟体系に属する理由となるのではない。幾何学は空間に基く。之が幾何学と他の一切の数学との区別される所以である。幾何学が数学として持つ特徴が之で
前へ 次へ
全79ページ中78ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
戸坂 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング