シ観は幾何学――思惟の体系の一つである――によって代表される、という結果をも伴う。次に空間直観はカントが説いているように――三を見よ――悟性ではない。思惟ではない。空間直観は悟性概念――即ち範疇――ではない処にその特色があった筈である。従ってそれは思惟に基くものでも思惟を基けるものでもない。思惟は思惟であり空間直観は空間直観である。故に空間直観は定義に従って感性的直観に属していなければならない。両者をかく区別した上で次にその関係を求めよう。一般的に感性的直観は思惟とは独立であるがそれは両者の結合が不可能であるということではない。併しカントも考えたように両者が結び付くためには第三者が必要である。予めこの第三者があってそれに基いて両者が結び付く理由が始めて在ると云わねばならぬ。併し予想された第三者の内容は両者の結合の結果としてしか現われることは出来ない。即ち感性的直観と思惟との結合の結果が予め予想されてあったものに相当しなければならない。云い換えれば両者が結合し得るという可能性は両者が本来結合していなければならぬものであるという必然性に基いている。処が後の場合の必然性は明らかに知的直観に外
前へ 次へ
全79ページ中64ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
戸坂 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング