)。然るにこの不変量とは何か。変換によっては変換されないものがそれである。処が変換自身は変換によって変換される群の要素に過ぎない。それ故不変量は変換それ自身以外のものに求められねばならぬ。然るに変換それ自身以外のものとは前に決められてあるように変換される処のものに外ならない。不変量は変換される処のものの内に求めなければならぬ。即ち不変量とは変換される処のものの間に於ける不変な関係であるより外に道がない。それ故不変量は向に変換群に於て見出された「何物か」の内容の一部である。不変量とは変換される処のものと共に、変換群の所謂特殊内容を成り立たせるものと云わなければならぬ。再び主群を借りて之を説明すれば、運動という変換に於て、変換されるものは位置であった。今運動という変換によって変換されない不変的な関係を求めると一定の図形というものが之に相当するであろう。図形は運動(変換)によって位置(変換される処のもの)を変えるが図形(変換に於ける不変量)自身は変らない。運動なる変換群に於ける特殊内容、それは位置と図形の外ではない。さて特殊の内容を此の点まで規定することが出来た以上、幾何学の対象が群乃至群論
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