る。図形の回転が一つの不連続群をなすことは可能である。併しながらそれは応用と云うよりも寧ろ或る種の群の例であるに過ぎない。吾々の問題は群が幾何学そのものに対する応用にあるのである。普通幾何学は群論に還元されると云うのであるが、吾々は之をどれ程の意味に解してよいか。ヘルムホルツは「自由なる運動」という概念を用いて計量幾何学の基礎を築いたが、この運動とはリーによれば一つの連続群、即ち一種の変換群(Transformationsgruppe)と考えられるべきものである。リーマンが曲率に基いて与えた計量幾何学の分類はこのような変換群の相違を規準として行なわれる(Lie, Transformationsgruppe. 3)。更に一般的に云うならば凡ゆる幾何学は変換群なるものの種々な性質を規準として分類されねばならぬ(一を見よ)。さてこの変換群とは何か。群は一般に、一つの同一要素と逆要素を含み任意の要素の積が一つの要素となるような要素体系、と定義される。変換群はこのような一般的な群の特殊のもの――要素が変換である処のもの――と考えられるのは云うまでもない。今その要素Aは変換「すること」そのことに外
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