何学に於て欠くことの出来ないものであることを最も直截に物語っている。さて私は解析幾何学に於ける数の権利を決定した。それによれば数は解析幾何学の内容を尽すことは出来ない。已に解析幾何学に於てすら数の権利は否定的なのであるからして一般に幾何学なるものの内容が数に還元され得ないことは明白である。リーマンの「n次の多様」や所謂 Lehre von ausgedehnten Mannigfaltigkeit(Klein を見よ)の内容が縦え幾何学的表象から全く自由であるとしても数以外のものから来る原理的な制約によって条件づけられてあることを見逃すことは出来ない。之が今の場合の結論である。又私はこの結論から更に次のように推論することも出来る、故に量的幾何学は幾何学に固有なものの本質をば必ずしも直接には示さない、従って質的幾何学を考察することの方がより便宜であり又より確実である、と。之によって何故に幾何学を解析的に分類することが非本質的であるかという劈頭の問題も自ら解決されるのである(一を見よ)。
 然るに茲に一つの疑問が残されている。数の権利とは云うが私の取り扱った処の数は、吾々が定義することなく
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