re に於ては、その広延量乃至は要素量が位置と量値を持つのである(Grassmann, Geometrische Analyse.)。即ちこの場合の要素は質ではなくして明らかに量である。Ausdehnungslehre が縦え座標というような偶然なもの(〔Willku:rliches〕)を許さないにしてもなおそれは「解析の形式」を具えていなければならない(Grassmann, Ausdehnungslehre von 1844, S. 397)。更に又グラースマンの要素量がクラインの云うように(Elementarmathematik v. h. S−P. aus S. 339)類同幾何学の対象に外ならないとすれば、類同幾何学が質的であるかそれとも量的であるかを見てライプニツの位置解析の蔽われた性質を検出することが出来ると思う。処が類同幾何学に於ては距離、角、円と楕円との区別、等の概念はない。即ち合同の公理は成立しないようにも見える。従ってそれは一応質的と考えられそうである。併し例えば射影幾何学に於ては無窮遠点なる概念が除外され得るのに反して茲では要素の有限と無限とは常に区別されなければ
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