於ける諸ジャンルの区別を与える。従って吾々は諸芸術の区別を検討する一つの尺度として、このアブストラクションを検討してかかることが必要なわけだ。
 併し単に諸文化様式(認識様式)の区別にとって必要なばかりではない、それというのも、認識機能・認識手段・の内にアブストラクションの作用の地盤があるからのことだ。認識機能乃至認識手段としての映画(文化様式の一つとしての所謂「映画」では必ずしもない)にとっては、又特有なアブストラクションがなくてはならぬ。恐らく之が、映画と他の認識手段とを連関づける媒介ともなる。それについては何れ。
(一九三七・一二)[#地から1字上げ]



底本:「戸坂潤全集 第四巻」勁草書房
   1966(昭和41)年7月20日第1刷発行
   1975(昭和50)年9月20日第7刷発行
入力:矢野正人
校正:小林繁雄
2001年8月23日公開
青空文庫作成ファイル:
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