拭されるのではない。両者の連関の個々の項目に就いては今は省略しなければならないが、それにも拘らず、少くとも、常識を如何に常識として蓄積しても夫だけでは専門の科学的知識は高まらないと同じに、専門の科学的知識を科学的知識として如何に蓄積しても、夫だけでは常識は決して高まりはしない。専門家であればある程非常識になるということもなくはない。――で、常識は普通考えられているように、何か平均的[#「平均的」に傍点]な科学的知識などではないのである。即ち何かそれだけ不完全な至らない低度の知識のことではないのである。仮にもしそうだとすると、常識そのものの高低ということは不可能になるからだ。平均の平均とは無意味である。高い常識ということは矛盾でしかなくなるからだ。それより寧ろ常識は、与えられた諸知識の周到に統一的な、そして日常的社会生活に就いて最もアクチュアル[#「アクチュアル」に傍点](現実的=時事的、時局的)な、総合のことでなくてはなるまい。
それ故こういうことになる。科学が社会に於て日常的となりアクチュアルとなるためには、科学は常識化[#「常識化」に傍点]されねばならない、と。そんなことは判り切
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