から、社会に於けるイデオロギーの他の分野と極めて密接な関係を有つことは改めて説明する迄もない。社会に於ける一般文化・思想・の動向は直ちに何等かの形でここに反映する。ルネサンス期に於ける文芸復興とヒューマニズムは、自然の自由な囚われない探究となって、自然科学の精神を形成したことは今更云うまでもない。マルクス主義は唯物弁証法として、今日の自然科学研究に対して新しい動向を与えつつある*。哲学上のマッハ主義は今日でも多くの「ブルジョア自然科学者」の科学精神を支配している。この種の諸思想がどういう機構を通じて自然科学を制約しているかに就いては次に述べるが、少なくともこうした制約のあるという現象は、今之を見遁すことが出来ない。――社会科学上の理論が自然科学を制約した例としては、マルサスの人口理論(資本主義がそれ自身に自然的な矛盾を持つことを初めて見抜いた正統派経済理論)がダーウィンの自然淘汰理論に示唆を与えたことが、挙げられるのを常とする。
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* ソヴェート・ロシアを除いて、マルクス主義による自然科学的研究は、初めはドイツに於て最近ではフランスに於て、相当
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