潤vに傍点]をなさねばならぬものである。即ち経験の想定[#「想定」に傍点]であり予想[#「予想」に傍点](Antizipation=Voraussetzung)なのである。ここに経験に於ける超経験的乃至先経験的と呼ばれるモメントが潜んでいる。実は夫は超経験的でも先経験的でもないのであって、全く経験の内部のものにすぎないが、併し大切なのは、この経験が、自分自身を云わば自発的に又自律的に構成して行く組織=メカニズムを持っているということだ。経験の他にアプリオリか何かがあるのではない。知覚乃至感覚が発生する実際上の条件そのものが、この経験組織だったのである(形態心理学に於ける知覚のゲシタルトの理論を見よ)。――で経験のこうしたそれ自身に於ける組織性を用いて、之を目的意識的[#「目的意識的」に傍点]に展開したものが、経験の所謂組織としての科学[#「科学」に傍点]に他ならなかった。
この目的意識は併しどういう方向に向って発動するか。それは経験の整頓から一定の諸法則[#「法則」に傍点]を導くように発動する。法則(経験的法則)は経験の実地的な指導[#「指導」に傍点]のために、常に必要欠くべからざる
前へ
次へ
全322ページ中177ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
戸坂 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング